
幼少の頃、私は団地に住んでいました。家の周囲は民家
しかなく、しかも山に面していた為、買い物にいくのに
も一苦労でした。一番近い商店に買い物に行くのですら
未就学だった私にとっては大冒険。その日の予定は『買
い物』のみということが普通にあった時代でした。
百円玉を握りしめ、長く急な下り坂をてちてちと下り、
横断歩道を手を挙げて渡り、道草をしながら商店を目指
したものでした。
当時、20年くらい前だろうか。ゲーセンはヤンキーの
溜り場で、コンビニなどなかった時代に育った私は、小
遣いを消費する場所といえば『○○商店』や『○○酒店』
といった日常雑貨屋が主でした。イメージでいうと、ち
ょうどジャイアンの家のような感じ。
そんなジャイアンの家、剛田雑貨店で菓子を物色するの
です。種類豊富な二桁金額の駄菓子。包装されずに丸出
しのドーナツ、毒々しいほどの原色のゼリー、飲んでそ
の場でビンを返さないと20円増しのジュース、プラスチ
ックの容器に入った串に刺さった「いかくん」や「のし
いか」、注射器水あめ、やたら濃い味のカップ麺、当た
りつきのガム、アメ、チョコ、ラムネ。ざっくばらんと
形容するしかないようなその光景を眺めるのが至福の瞬
間でした。
こんな歳になっても当時の値段を覚えている。消費税な
んてなかったですからね。百円きっかり使うにはどうし
たらいいのか、どれとどれを優先すべきか、拙い頭で必
死に計算して買い物していたものです。
今思えば、こういった環境というのはとても貴重だった
なぁと感じます。金銭感覚や忍耐力を養うにはうってつ
けの環境だったなぁと。知らず知らず、親をも意図しな
い場所で情操やイデオロギーを養っていたんだなぁと。
言い過ぎか?
先日、ふとしたきっかけでその駄菓子が食べたくなった。
仕事の帰りにコンビニで買っていこうと思ったけど、そ
れじゃああまりに味気ない。やはり実際に当時売ってい
た店に赴こうではないか。あわよくば当時のおばちゃん
にお会いして昔話でもしてやろうじゃないか。
…と思ったのだが、当時から私は
二人のルールが変わっ
ていくくらいのトゥー・シャイ・シャイボーイだったの
で、おばちゃんともあまり話すことはなかったので、私
の存在をおばちゃんが覚えてることなどほぼありえない
ことだ。よしんば覚えててくれたとしても、なんだか会
話の花は咲きそうにない。
暗い話にばかりやたら詳しく
なったすばらしい日々を語りあっても、駄菓子を美味し
く味わえそうにない。
なんで、某ファッションビルにある駄菓子屋、いや、
『THE・DAGASHI・
SHOP』に行くことにした。
OLさんや子供連れのママさんやオサレな服を着たカプ
ールのひしめきあう
『THE・DAGA
SHI・SHOP』。
違和感を感じずにはいられないが、この際仕様が無い。
当時買っていた菓子を選り分ける。すぐ横でカプールが
騒ぐ。
「なにこれぇ!ゴリラの鼻くそ
だってぇ!
チョーウケるんだけどww」あぁ…声がきこえる…ニュータイプでもないのに調子に
のりまくっているジェリドさんが叫んでる…「時代は変わったんだ!
オールドタイプは失せろ!」と…えぇえぇ、重重承知していますとも。
オールドタイプで結構。どんなに時代が流れても、ファ
ンネル飛び交う宇宙の中でも
ボールで出撃してやりますとも。
…脱線しすぎ。
何とか買い物を済ませたけど、凝り性の私はここでは終
わらない。
「まだだ!まだ終わr(ry近所の公園で写真を撮ってみました。
当時を再現するというコンセプトだったけど、風は強い
わ雨が降ってくるわでお粗末すぎる出来になってしまい
ました。
でもせっかくなんで公開します。
次回はもうちょっといい絵を撮るぞ。

